6時にいちど起きたときには左側を向いていた。

 6時にいちど起きたときには左側を向いていた。左側は壁だ。壁の向こうには納戸があり、プラスチックの衣装ケースがある。衣装ケースのなかはTシャツばかりだ。ほとんどは、ケースに入ったままだ。そのなかの一割くらいを、繰り返し繰り返し着ていることになる。なりより去年の夏から模様替えをしていない。冬服は納戸のさらに奥にしまってある。Tシャツの上にシャツを羽織り、とにかく上着を着ればよい。すぐに春が来て、夏が来る。
 そこまで考えたところでもう一度寝ている、次に起きたときは右を向いていて、妻はもういない。息子だけが寝ている、と思ったら声がしている、起きている。
 午前中、予約していたレンタルDVDが届く。深作欣二仁義なき戦い』とハワード・ホークス赤ちゃん教育』。昼食に昨晩の鍋の残りで鍋焼きうどん、昼寝。午後から息子を乗せて二人でドライブ。書店を冷やかし、と思ってもやっぱり文庫を一冊。帰ってきて美術展のチラシでブックカバー。夜はカレー。義母のサラダには最近レーズンが入っている。うまいと思うようになった。レーズンとレタスとトマトとごまドレッシングが微妙に合う。あ、ハムがあるから合うのか、と書きながら気づく。
 『TAROの塔』の第2話、観るつもりだったがタイミングが合わず観ない(一日の行動は息子に左右される、つまり、今日は寝る時間なのだ)。それに先週の第1話で、それほどおもしろいと感じられなかった。中高生なら、いや、20代までなら第1話を観た自分に義理立てして観るところだが、いまは観ない。
 息子の寝てる横で『赤ちゃん教育』を観るか、『仁義なき戦い』を観るか。仁義だろうな。7インチで観る『仁義』。