ヴィンセント・ギャロ『ブラウン・バニー』(2003)を観ました。

 DVD(『バッファロー'66』との2in1)が出た頃に買って観て、たぶんそれ以来。

 ヴィンセント・ギャロ自身が演じるバイク・レーサーがレースを終え、次のレース会場まで、車にバイクを積んで移動する。車窓、車窓、また車窓。道々で女を引っ掛けては、再びオン・ザ・ロード。「女を引っ掛ける」といっても、ことを致す前に自分から女の元を立ち去る。

 ストーリーともいえないストーリーで、ソフトストーリーというのか、そういう類の映画の極北みたいな感じ。

 実は今、観ながら退屈して、これを書き始めている。ひたすら車窓が映り、うらぶれたダイナーで食事をしたり、荒野のハイウェイのスタンドでガソリンを入れたりしているヴィンセント・ギャロ(役を演じているように見えない。「自分を」演じてるように見える)を観ながら、他のことを考えていて、とうとう思わず。

 たしか終盤に酷いひどいことが起こる。それを観たらたぶん、「ああやっぱこいつ(ヴィンセント・ギャロ)最低ヤローだ。」と思うだろう。

 記憶違いかもしれないけど。あと30分弱。退屈しつつも、わたしはこれもいい映画のひとつだと思う。少なくとも、好きか嫌いか、と言われれば好きだ。