2015年1月22日

 ドラマシリーズ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』シーズン2まで、計26話を観終わりました。これほどまでに好ましくない人物が主人公のドラマを、引き込ませるのだからすごい。
 自らの野望のためなら手段をも選ばず、文字通り人でなしなこともやる。そんな人物でも苦しみや悲しみはあるし、愛もある。しかしそういう「憂い」を利用して感情移入させているのでもないと思う。
 アメリカ合衆国大統領という権力の頂点を目指す男という、自分の人生とは一ミリも関係のないドラマを見ながら、子どものこと、自分の息子のことを考えたりする。子供というと無垢というか、何ごとも「純粋に」楽しみ、笑い、憤り、泣いて、安らかに寝ては起き、というのを繰り返しているように見えるけど、彼らにも憂いはある。
妖怪ウォッチ」の映画が観たくて仕方がない息子だが、観たくないという思いもある。未知の怖いこわい妖怪が出てくるかもしれない。映画館の爆音も好きではない。好きなものでも、二時間近い長丁場に堪えられない自分のこともわかっている。
 でも観たいのだ。
妖怪ウォッチ観に行こうかなあ、どうしようかなあ」
 というのを半日言い続けていたという。休んでいても仕事のことを考えたり、気になる人のことを考えたり、遠い将来や身近な不安に怯えたり、期待したりしているわたしたちと、本当は少しも変わらない。