四つまでは許してもいいのに

H26.1.28 Tue.

 昔から友だちが少ないので友だちのたくさんいて楽しそうにしている人を見ると自分が情けなく思えてきて
「歳をとって孤独になるのは辛いなあ」
 ということをしみじみ思っていましたが、わたしより年長の人の何人かが
「歳をとると人恋しくなくなる」
 と言われているのを聞いて少し安心したように思います。たしかに十代のころは毎日のように友だちといないと、恋人といないと気がすまなかったのですが。
 たしかにこの頃は、少ないなかでも仲のいい友人に会いたいと思っても、懐かしがったり、思うだけで気がすんでしまうことの方が多くなりました。
 そういうとき、二十代の頃だったら電話くらいはしていたのに。
「歳をとると人恋しくなくなる」という話をラジオで語っていたある人は
「この歳になると友だちっていませんよ」
 ということもサラッと言ってのけていて、昔ならただ寂しい人だな、と思ったのだろうけど、今は、そういうものかもしれないな、といふうに感じます。
 それでもまだ、言葉にはならないけれど頭のなかで色々な人のことを思い浮かべたりしていて、その程度には人恋しくてできることなら時々会ってゆっくり話をしたい、ということはけっこういつも思ってもいます。
 そういうふうに頭のなかで思っていることは思っているそばから消えていって、というかわたしの頭の中のできごとだからここに存在したかどうかもわからないんですよね。
 でもこれもラジオで、「奥の細道」を研究されていてる方が、
「昔は夢も”実在しているもの”で、売り買いさえされていた」
 という話をされていて思いが実在するということ、それがなんだか嬉しくなったわたしはまだまだ人恋しいのだろうな、と思っています。