二日目には何かを抱いて

H26.1.21 Tue.

 結局「毎日何か書く」というのはできてなくて、本読んでたり何か書いてたりしてたはずの時間でスマホいじったりしててバカみたいだ。
 マンガを何冊か読んで面白かったです。
 穂積という人の『さよならソルシエ』というゴッホの弟を主人公にしたマンガと、『式の前日』という短編集が素晴らしかった。日常的な題材でディテールを追求した純文学ふうの『式の前日』ですが、肝心のところで日常的なリアリティがゆがむ感じが、絲山秋子とか山崎ナオコーラとか川上弘美とかの、現代女性作家を思わせる。でもそれだけじゃない奇妙さとか、うまさみたいなものを感じます。マンガってすごく進化してるんだなー、という感じも。
 ゴッホの弟・テオとゴッホの関係を描いた『さよならソルシエ』に至っては、史実を完全に無視したように見えつつ、オチで史実を利用してもいて、そういう意味ではメチャクチャで怒る人もいるかもしれないけど、読めば作者はゴッホもテオにも相当の思い入れがあるに違いなくて、たぶんこれは「わたしの読みたかったゴッホ」なんじゃないかな。そして「わたしがやろうとしていること」を宣言してもいて。史実を利用したよくできたミステリーのように読めるし『式の前日』と違ってわりとディフォルメされたエンターテイメントな語り口だけど、「よくできた話」を描きたいんじゃなくて、一種異様なエモーションが底に流れてるような気がする。
 というのが印象。ちゃんとした読みじゃなくて、印象でしかないけど、今年はマンガを色々読んで、深読みできようになりたい、と思ったマンガでした。

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)