ゴー・シティ・ゴー・シティ・シティ!
職場に新しく入った後輩(20代後半男子)が、穂村弘が審査員を務める賞を受賞するほどの短歌詠みだというので(勝手に)触発されて短歌を詠みはじめた。とりあえず五日前から毎日少しずつ詠んだ、五日分ぜんぶ。
- 一日目(テーマ:息子の体重)
この重さ何かに似ているあっそうだこの重量は息子の体重
12キロこの重量がわたしには1息子という単位になってる
二歳児の息子と同じ体重を減らせたならばベスト体重
重いもの運ぶのなんてやだ息子を抱くのだけは除いて
ちょうどいいこの重さはいまだけのもの息子を抱いた腕に感じる
どこまでも行けそうな気がしてるんだ重い荷物も息子と思えば
息子より重いものなど持てません軽いものではもの足りないし
- 二日目(テーマ:自分の性格、など)
会いに来てくれるのを待つよりも会いに行くくらいは前向きなんです
好きな人のことをもっと知りたいのに自分の話ばかりするわたし
とりあえず家に少しある短歌の本は見ないことにする初めのうちは
18歳童貞のくせに初デートで観た映画がハーモニー・コリン
クリオネをいま飼いたいの今日買うの名前も決めてる「師匠」にするの
きゃりーぱみゅぱみゅ歌いいな好きだなあ生身のオンナに見えないとこが
- 三日目(テーマなし)
家でならくるくるまわるように踊るきみを見てたら心が凪いだ
となりにはよくしゃべるひとだコンパでもおかまいなしでうわさ話だ
家でならくるくるまわるように踊るキミどこまでも内気な人ね
遠くまで行けたらいいけどわたしにはお金がないし柄でもないし
貧乏はしたことありませんそれがなにって顔してフテ寝する彼
- 四日目(テーマなし)
どこかしら自分に似てる気がしてもそのかわいさはわたしにはない
完全な無になる時間が怖いのでAMラジオを聴きながら寝る
悩んでるあなたが見てるものは何? やらしいものなら承知しないわ
あの人に見られて嫌なものならば持っていたってしょうがないわ
- 五日目(テーマ:わたしの見てきたもの、連作・AMラジオ、など)
古雑誌思い出だから捨てないの捨てれるほどの思い出ないけど
何とかの受け売りなんて言われてもわたしにだってわからないよもう
独りには耐えられないのわたしたちAMラジオを聴きながら寝る
弾むような会話を彼としてみたいAMラジオを聴きながら寝る
どこかには運命の人がいるはずAMラジオを聴きながら寝る
どこかしら自分に似てる気がしてるAMラジオを聴きながら寝る
短歌は今まで詠もうとしても詠めなかったけど、できを気にせずにどんどん詠むと意外なほどおもしろい。とりあえず千本ノックみたいにしばらく続けてみようと思う。