レッドオレンジイエロー、ブルー。

 最近は本もあまり読まないと本を読む力も落ちてきて、小説などとくにそうだと思う。ツタヤでずいぶん迷ってDVDは買わずに青山七恵「かけら」(新潮文庫)を買った。最初の短編を半分くらい読む。わるい感じはしない。
 土曜日の夜はタマフルで、録音してから聴くことにしているから夜はまた、7インチの小さい画面で映画を観た。「わたし出すわ」を2回目。今度は妻と一緒に。
 わたしはストーリーの伏線とか、展開にかかわる重要なエピソードの意味とか、だいたいいつも見逃しながら映画を観るので、わたしがその映画を「好きだ」というのはわたし自身にとってもあてにならない。
 今回は見終わったあとに妻にいちいち色々な点を確かめて、腑に落ちた。
 わたしはこの映画、好きみたいだ。
 その理由はこうだ。
 登場人物の内面とか、なんでそんな行動を取るのか、理解できない部分はたくさんある。けど、すごくシンプルに行動して、言葉にする。お金をくれるというから、(ちょっとは考えるけど)もらう。それで身を持ち崩す人もいるけど、お金に頓着しない人は持ち崩さない。
 入り組んだ構造や内面がなく、一つひとつ、シンプルに物ごとが繋がっていく。主人公の小雪を中心に、色々な人の色々なエピソードが繋がってくるけど、「ただ繋がっているだけ」で、地方都市だし、「世間って意外と狭いよね。」くらいの意味しかない。悪いことも起こった。でもいいことも起こる。色々な人がいて、おかしいね。面白いね。
 そんな映画。

わたし出すわ [DVD]

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