サルはマンキ/パンダは「パ!」。

 台風が近づいています。一歳七ヶ月になる息子は先日から風邪で、ぐずぐずしたりごほごほしたりしながらもなんとか眠っています。
 その傍らでわたしは本を読んでいました。『いい子は家で』という本です。小説。
 隣で息子が寝ているのだから当然照明は落ちています。わたしたちは真っ暗では寝られないので、常夜灯(豆球)はいつも点けたままです。今のような事態になるずっと以前からまめに節電している妻も、この電球を消すことは頭にないようです。
 わたしは夜布団の中で本を読むときには、何年も前に、大好きだった女の子(今の妻ではない)から誕生日にもらったブックライトをずっと使っています。本の裏表紙のところに挟んで使えるハンディなもので、単四電池四本で駆動します。
 妻がそれを見て、
「わたしも『窓際のトットちゃん』が読みたい。」
 というものだから、わたしはそのブックライトを貸して、スマートフォン青空文庫を読むことにしました。『頬よせてホノルル』というタイトル。これも小説。ブックライトの入手経路は妻もよく知っています。わたしは何でも話してしまうから。彼女も今子育てをしているそうです。
 わたしのような中途半端な「イクメン」でも、自分のための「空き時間」はどんどんなくなって、本を読むのはこういう寝る前のわずかな時間しかないのですが、こういうときに、ブックライトを重宝するとは、もらったときには気づかなかったものでした。

いい子は家で

いい子は家で

頬よせてホノルル (新潮文庫)

頬よせてホノルル (新潮文庫)