スカッとさわやか。

 『ショーガール』(ポール・バーホーベン監督、95年)をDVDで。面白かった。題材やストーリーからもわかる通り素直にみて下品で露悪的な映画だけど、全米公開時に大コケで、評価もすごく低いというのが納得できない。『アンドリューNDR114』みたいな優等生な映画ばかりみんな観たいんじゃないはずで、映画は必ずしも作品として観るものじゃないから、それが出来がいいとか悪いとか、作る人にとっては大事でも観る人にとってはファースト・プライオリティーではないはずです。それでわたしは映画を観るとき、できるだけその映画からわたしにとっていいことを探したいと思います。ある意味ではとても打算的なことです。

 暴力には暴力で、姑息な手段には卑怯な手でやり返すのがこの映画の登場人物の行動様式で、2時間の映画でごく短い間にラスヴェガスでストリッパーからトップダンサーに上り詰めた主人公のノエミは、仲間がレイプされたことを切っ掛けにさっさとラスヴェガスを去る。その仲間に労わりの言葉をかけ、かつての仇敵と友情を交わしてラスヴェガスに来たときと同じ男の運転するピックアップで喜劇的にラスヴェガスを去る。「ゲスな野郎」という名声とか、「乳首が立たないなら氷で冷やせ。」とか、とにかくまあゲスいのですが、我慢して観るか歓んで観れば観てよかったと思える映画です。いくつかレビューを読むと、このゲスさを、皮肉とか辛辣な風刺みたいに捉えている向きもあるみたいですが、趣味というか性向でやっているとみたほうがいいような気がする(まあ「冗談」ではあるかもしれない)。それに4500万ドルかけられる国。

 そんな映画なので気を抜いてだらだら観たので、何回か観てみたい(でも何度観てもだらだら観るような気もする)。こういうのを息子(1歳数ヶ月)も将来楽しめるようになるんだろうか。そういうのも楽しみです。もちろん、大人になってから!!!!