リバーサイド。

 土曜日は一日仕事で、翌日曜日の昼前、抱っこひもで息子を抱っこして、息子と二人散歩に行く。往復たぶん3キロほど、少し大きめの橋がかかる川の土手くらいまで行って、引き返す。1歳ちょっとの息子は最近歩き始めたので、寺の境内とか、土手とか、所どころで下ろして歩かせてみたりする。抱っこして散歩するというと息子は抱かれているあいだ大人しいので、抱いたまま歩くのは多少しんどいけれど、穏やかな道行きとなる。端的にいって楽しい。30代のおっさん一人で散歩していたらそういうことはないけど、息子を抱いているとかならずと言っていいほどお年寄りやおばさんに声をかけられる。かけられるのは息子だが。「ええなあ、抱っこしてもろて。」
 道中は携帯(Pocket Wifi S)のスピーカーで小さく音楽を鳴らし(キセルの歌う童謡「かなりや」など)、同じく携帯で写真をとったり。写真は300万画素ほどしかないがそれなりに写る。こんなちっちゃい機械で! 個人のレベルでは、これ以上文明が進歩(?)する必要ないんじゃないか、と思う。
 というのは余談で、子育てではわたしはいいとこ取りしてしまっていると思う。最近夜泣きがひどくて、最後まで寝かしつけるのは必ず妻で、申しわけなく思うがなかなかできない。

唄を忘れた金糸雀(かなりや)は
後ろの山に棄てましょか
いえ いえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀
背戸の小藪に埋けましょか
いえ いえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀
柳の鞭でぶちましょか
いえ いえ それはかわいそう

唄を忘れた金糸雀象牙の船に 金の櫂(かい)
月夜の海に浮かべれば 忘れた唄をおもいだす

「かなりや」作詞:西條八十