ガリバー! ピッチャー!

 電気グルーヴの「モテたくて…」にそんなフレーズがありましたが、ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』を読んでいます。青空文庫で。こと「読む」ことに関しては電子書籍はものすごく読みやすいな。正直意外です。読んだものを咀嚼したり、関係ないことを考えたりすることには向いていないかもしれないけど。
 『ガリヴァー旅行記』はたぶん、いままで一度も読んだことがなかったみたいです。こどものときに読みそびれて、大学のときにすごく頭のいい馬鹿な友人が読んでいて面白いというので気になったけど、読んでなかった。そのころ、NHKBBCかなんかが製作したテレビドラマ版『ガリヴァー旅行記』をやっていて、ちょっと見た感じ「すごい」と思ったけど(たしか見たのは、ラストの、フウイヌム国(馬の国)の話だった。ヤフー(Yahoo)の語源ってそれだったか!とか思った記憶がある)、やっぱり読まなかった。で、いまになって、ようやく。
 それでも小人の国とかラピュタとか「馬の惑星」的なフウイヌム国の話とか、20〜21世紀の日本に暮らしていてもさすがに聞いたことはあるわけで、『ガリヴァー旅行記』は当時のイギリス社会のカリカチュアということらしいということもまたなんとなく知っている。で、直接的な社会批判ならいまさら(わたし個人は)読む気はしないけれど、小説なら読もうと思う。しかしそういうものであった、というのは知識として知っているし、知らなかったとしても、17、8世紀に書かれたものだとして読んでいればなんらかの風刺だということは感じられるだろう。でもだから面白い、というわけじゃないと思うけれど、そういうことを考えつつ読んでいると、わたしの好きな面白い教育テレビの番組の匂いがしてくる。「ピタゴラスイッチ」とか。そうか、佐藤雅彦っぽいのかな。
 とりあえずまだ最初の小人の国「リリパット国」出たとこなんで、ぐいぐい読んでみます。と思ったらちょうどいいタイミングで映画化してる(今知った)。ガリヴァーは『ハイ・フィデリティ』の人か。でもリリパットのとこだけみたいだし、もうひとつかも。