にょほん松の奇跡

 「使い古されたと判断していた自社の技術さえ、違った文脈で新しい価値を持つ可能性があるんですよ。」
 職場には売店があって、そこでたまたま売っているので最近久しぶりに雑誌「ブルータス」を買っているのですが、買うだけであまり読んでなくて、今日ふと思いつきで「2011年、『世の中』を考える175冊。」と銘打たれた特集のいま出ている号をじっくり読んでみたら意外なほど面白くてびっくりしています。
 「サルもヒトも、他者がいるとき自分の行動を最適化します。」
 「技術が公にする関係情報に人々がどこまで耐え得るか。」
 「この本でサンデルが言っていることは、『価値中立というものはあり得ない』ということ。」
 「まだ見えない10〜20年後の基幹産業は、世界の途上国といわれる新しいマーケットに向けたもの作りになると私たちは考えています。」
 それでいまは仕事で宿直で宿直室で電話番をしながらこうしているのですが、20時くらいから(いまは23時)テレビを消して雑誌を読んだりこれを書いたりしています。最近は仕事と家の往復と先日1歳になったばかり息子の相手の毎日で、それでまあ充足していてインターネットもあまり触らなくなってSNSツイッターもやめたし、「繋がり」はもういいかあ、と思っていたのですが友人たちとまた何かやりたくなってきました。せっかくだから作品集「夜明けまで」やイベント「ねたあとに、」(これもまたやりたい)くらい、あるいはそれ以上に楽しめることが何かやりたいなあ。とにかく小説は書きたいと思っているし、友人の話していたフリーペーパー?ジン?は楽しみだ。あと来年の3月12日にはフィッシュマンズナイト大阪もまた仲間とやります。映画とかも撮ってみたい。32歳ということはまだまだ時間があるはずだ。
 とりあえず今日は御用納めの宿直業務を朝まで。今から佐藤泰志海炭市叙景」(小学館文庫)読もう。
 佐藤泰志は10年くらいまえに松村雄策のエッセイで知って、「大きなハードルと小さなハードル」というのを読んで、しかしこういうふうに映画になったりするとは思わなかったな。いまさら受け入れられる小説だとは(そのときは)思えなかった。さてさて、「海炭市叙景」はどうでしょうか。映画になったのも観たいものです(監督・熊切和嘉、音楽・ジム・オルークだそう)。しかし子育てちゅうの身というのはなかなか不自由なもので(それでもだいぶ自由にさせてもらっているが)、3月の神戸アートビレッジセンターとか、なんとか行けないかな?
 「彼は、お金を持っていることがある世界の中では、『きっと幸せなんだろう』と思われる、そのことをうまく利用しているわけです。そして、実はホームレスたちはその反対に、『あちら側』の世界の人々から、『きっと不幸なんだろう』と思われることを利用している。」
 「」の引用は全て、「ブルータス」2011/1/1・15合併号から。
BRUTUS (ブルータス) 2011年 1/15号 [雑誌]
海炭市叙景 (小学館文庫)