神である彼の家に、人間が、わたしのように気軽に、入ってはならないのだが、わたし自身も神であり……

 妻からの誕生日プレゼント。リクエストさせてもらって、池澤夏樹=個人編集 世界文学全集(河出書房新社)から、『アフリカの日々/やし酒飲み』(ディネセン/チュツオーラ著)、『暗夜/戦争の悲しみ』(残雪/バオ・ニン著)。
 各2940円と全集としてはそんなに高くないのかもしれないけど、ふだん買うには少しためらいがあった2冊で、でもすごく読みたくて、うれしい。さっそく、ナイジェリアのチュツオーラの「やし酒飲み」を少し読む。

 わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲む以外には何もすることのない毎日でした。

 中国、ヴェトナム、デンマーク、ナイジェリア……ぼくはこんな時代に外国に行ったことのない奇矯な人間ですが、まだ見ぬ、まだ読まぬ国の世界文学にわくわくしています。