日録(病院の空、妻の足)



 朝は10時。散歩。役場前の遊歩道。携帯で写真。11時出発、和歌山市へ妻の祖母の見舞い。高速、妻の運転。ランタン・パレードサカナクション、パタゴニ、フィッシュマンズ。ときには大声、ときには、泣きたくなるようなフレーズ。イズミヤで昼食。カレーうどん(とんかつのトッピング)。病院。寝たきりの祖母。眠ったままの祖母。「おばあちゃん、マァちゃんやで」。妻、濡らしたガーゼで目尻と口元を拭く。待合室。窓の外。電線の上のスズメ。ソファで読書。『青空感傷ツアー』。美人でゴーマンな女の子。写真:病院の空。ふたたびイズミヤユニクロ。試着室。「マァちゃん。これのMサイズ」「どこ?」「入口のとこ」。カラージーンズ、カーディガン。駐車場で、写真:妻の足。高速、ぼくの運転。トンネルに近づくたび、妻の指がライトを指している(トンネルでは、ライト点けてね!)。ふたたびサカナクション。妻のお気に入りは、「ティーンエイジ」(一生青春!)。ぼく:「白波トップウォーター」(やりきれなさを救う歌!)。御坊。古着屋。明日のチケットは引き上げられている。まあ、当日で。ロマンシティでフィルムの現像。フードコートのテーブルで写真を見る。“あの夜! あの素晴らしいライブの夜。京都での、ゆったりとした午後。海南の、無人のホーム(独り占め!)。朝を待つ気分で、人を待つ朝”。そのまま帰らず、気まぐれに、海までドライブ。bonobos「Thank You For The Music」。大合唱。浜辺へ。暮れゆく空。高い波。海が鳴らす、轟音。一日は、日暮れとともに終わる。