君が元気なのを僕は知っている。

 柄にもなくGWの計画というものを立てているのだが、世間の人はいつからGWの計画を立てているのだろうか、こんな田舎の観光地でも現時点で宿泊がほとんど埋まっている。いっそ都会に行って映画観たり、美術館に行ったり、音楽を聴きに行ったりしてみるか、という案も浮上したのだけど、結局少し場所をシフトさせたがやっぱり近場の田舎の旅館の予約を取ってみた。
 そういえば妻と大学時代にはじめて旅行に行ったのも京都の山村だった。田舎に住んでてさらに山奥に行く、というのもなかなかいいかも知れない。少し前に東京時代の職場の先輩と電話で話したら、自然のなかで暮らしているのが羨ましい、と言われた。「そうか、羨ましがられるような環境なのか」と思った。
 《たまぁに、人の顔が動物に見える時はないかい?》
 大学に入った頃だったか、音楽好きの友人と二人でさんざけなした記憶がある曲、THE BOOM「手紙」がいい。先日100円で買ったなかの一枚。歌というよりポエトリー・リーディングで、その歌詞はやっぱり昔思ったのと同じように気取って見えるのだが、その気取りもちゃんとした「芸」に見える。
 《ところで、嘘をついた時ほど寝つけない夜はないけど、/眠れない夜こそ自分に素直になれるっていうのも、おかしな話しだよね》
 三つ子の魂百まで、ってこともあるけど、時とともに変わる思いもある、ということも最近実感しつつある。一方で、『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』っていう本を50歳で出した小説家みたいに、90歳を超えて新作を発表した小説家みたいに、「前のめり」でいたいなぁ、とも思う。