たまに
平日に休みになったりするとチョーシこいて薄着で部屋のなかをふらふらしたり押入れを漁って最近被っていないニットキャップを探してホコリを被ったりするものだからくしゃみを連発することになってしまって、鼻炎薬を買うことになって無駄な出費がかさむことよりも、くしゃみの連発と鼻づまりでアタマがくらくらしてスッキリしないのがつらくてやれない。しかし所用で外出して、停車した車のなかで妻を待っているあいだに窓の外に見える風景や、くらくらしつつもアタマのなかに浮かんでは消えるヴィジョンや考えについて考えているという状況というか状態というか、そのことは悪くない。こういうシチュエーションや、何よりこういうアタマのコンディションは仕事のあるウィークデイにはないもので、そういうふうに仕事の日と休みの日にアタマのスイッチが切り替わることが休みの日に決まってハナカゼを引いたり体調を崩してしまったりすることと関係しているのかと思う。「休みの日になると気が緩む」とかいうけれど、むしろ「自分本来の状態に戻る」といいたいところだけど一概にはいえない。しかしやっぱりOFFのときがやっぱり自分にとっての「ON」だと思いたい、ああ、明日1日行ったら休みだなあ。というわけで年末年始は実家で過ごすことになるが、この年末は読みたい本がたくさんある。(いつだってたくさんあるが)
- 小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)
- 池上高志『動きが生命をつくる』(青土社)
- 保坂和志『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』(草思社)
- いしいしんじ『みずうみ』(河出書房新社)
- 豊島ミホ『東京・地震・たんぽぽ』(集英社)
- 『地中トーク 美を生きる』(直島福武美術館財団)
などなど。どれだけ読めるか。それでどれだけ考えられるか。楽しみでもあり……。