マニフェスト

遠くから聞こえる音に耳をすませるように、静かに息をひそめていることと、大きな声でがなり立てて自らがざわめきをつくり出すこと。
小さなことと大きなこと。
連想すること。突然思いつくこと。
1、2、3、4、5、6、7、8、9。
夜中にひとり部屋のなかで紙幣を数えるのと同じように、目のまえの時計が時を刻んでいるように見えること。
より正確には、針が一定の速度で動いていること。
小さな風でわずかだが窓枠がかたかた音を立て、電気仕掛けの暖房器具がじりじりとかすかな音を立てているあいだに。
前と後ろ。左右。東西南北とそのあいだを。
通り過ぎているようでもあり、戻ってくるようでもある。
わずかだが、途方もないものを。
遠い場所でつくられているもうひとつのざわめきを想像すること。
この場所で。