人生とは抗い難いもので、

またしてもこうして休日に仕事をすることになっている。それで「息抜き、息抜き」などといってこうしてこれを書いている。パワーポイントのスライドを作っているはずが、机の上にはリチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』(新潮文庫版)が置いてある。《わたしはやかんをかけ、ヴァイダのそばにすわった。ヴァイダは体を丸くし、頭をわたしの膝の上にのせたので、わたしの膝は濡れたような黒い色の髪の毛にすっぽりとつつまれた。/乳首が片方見えた。すばらしい!》という箇所が大好きで、私のもうひとつのブログ「抜き書き帖」には原書からの抜き書きをしたことがある。《I put the water on for the coffee and sat down beside Vida who curled over and put her head on my lap , so that my lap was entirely enveloped in her watery black hair. / I could see one of her breasts. It was fantastic!》
ブローティガンは久しく読んでいない(少し前に出た、遺作『不運な女』も、半分くらい読んだところで止まっている)が、ブローティガンの名前を知った97年頃、たまたま見つけたフリーペーパーの特集「突然、ブローティガン!」というのが忘れられない記憶としてある。あれは何だったのだろう? 以降、自分にとって大切な作家だけれど、やっぱり最近読んでいないので、もう一度読んでみよう。『愛のゆくえ』も『アメリカの鱒釣り』も、我が家には2冊ずつある。