なんと「円い」月が出たよ窓
ふとしたきっかけで尾崎放哉の俳句を思い出していた。放哉の俳句は、覚えていて「持ち歩ける」感じが好きだ。俳人や歌人の方はご自身の作品や、好きな作品、影響を受けた作品をたくさん持ち歩いているのではないか。棋士の方なら、頭のなかにたくさんの棋譜を持ち歩いているのかも。
結局、すぐわたしの頭のポケットのなかから出てきたのは数えるほどしかなかったのだけど、
墓のうらに回る
足のうら洗へば白くなる
入れものが無い両手で受ける
などと思い出せると、やっぱり「持ち歩いて」いるようで嬉しい。ずっと以前、まだブログという言葉がなかった頃に書いていたウェブ日記のタイトルをわたしは、
なんと円い月が出たよ窓
としていた。放哉のことを知ったばかりの頃だったと思う。いま、ウェブで調べてみると放哉の句は「丸い」だったかもしれない。わたしの日記もそうだったかもしれないけど、思い出したのは、「円い」だった。わたしが「持ち歩いて」いたのは。
- 作者: 尾崎放哉,伊藤完吾,小玉石水
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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