2014年12月13日の日記

 昨日から、堀江敏幸『なずな』(集英社)という小説を読んでいる。40代独身の男が、とある事情から生後2ヶ月の赤ん坊を預かることになる、という「保育」小説。憶測だけど、恐らく著書の子育て経験が反映された小説ではないかと思うのだが、わたしも子どもが生まれてから、子どもの成長が面白いということと、それと労働くらいしか、わたしの生活の内実がないこともあって、その体験を小説の形で書き留めておきたい、と思いながら、うまく形にならないでいる。でもこの小説は、軽妙にそれを成し遂げているように見える(まだ少ししか読んでないけど)。とにかく面白いです。
 わたし自身は、今は、「息子が読んで面白い話」がなんとか書けないかなあ、と考えています。息子は最近、カフカの短編の朗読を面白がって聞いてくれます。「父の気がかり」とか、「変身」のような、「変な生き物」が出てくる話が好きなようです。カフカ先生すごい。