ぐるぐるまわるすべり台。

 仕事であまりにも心がふさぐので、とにかく自分のための時間を過ごす、そのためにこの一ヶ月、少しずつでも小説を書いていた。書いていて面白くないわけではないが、ここに来て、小説が開いていく感じがあまりないので、しばらく置いてみることにした。

 土曜日は久しぶりのオフ。朝から仕事に行こうか、と思っていたけど、やめた。朝から息子と二人で町の新しい図書館、「たなべる」に。「はやぶさ」のカプセルが来ているらしい。その展示を少しだけ見て、二人で本を借りる。息子は電車と飛行機の本をたくさん。わたしは柴崎友香『星のかけら』(文藝春秋社)、本江邦夫『中・高生のための現代美術入門 ●▲■の美しさって何?』(平凡社ライブラリー)。図書館そばの和菓子のお店で五十円のまんじゅうを六個(家族全員の分)買って帰ってちょうど昼。

 妻を家に迎えに行って、三人で久しぶりに行ったこの街のユートピア、さっちゃんのお店、カフェ「...ti」。これまた久しぶりに鶏ときのこの和風だしカレーを食べた。いつものようにおいしい。ごぼうのマヨネーズであえたサラダも、特別につけてもらった味噌汁も、おいしい。サラダや味噌汁が本当においしい店は本当においしい。店主のさっちゃんは、ほんとうは彼女なりに屈託のあることもあるのかもしれないけど、客としてお店に行って、お喋りするぶんにはほんとうにまったくそういうことは感じさせなくて明るくてこちらがふさいでいてもここにいるかぎり元気でいられる。ふわふわしてるけどときに鋭くて、例えば以前、川上未映子という人の本をたまたま買って読んだらしいのだが「この人ほんとに嫌、って思ったん。この本持ってるのが嫌になるくらいに。」と言っていた、その言い方はほんとうに鋭かった。

 それで彼女の「一人日本映画祭」の話や、妻が息子と、隣町の文化会館に観に行った「栗コーダーカルテット」のコンサートの話なんかをして、食後のコーヒーを飲むといつものように息子が角砂糖をみつけてむさぼる。そして帰りぎわ、「おさとうごちそうさまでした。」という。失礼な男だ。食事の礼をしなさい。

 日曜日は朝から休日出勤。夜まで働こうかと思ったが、やりきれないので夕方切り上げて、「帰るコール」したら妻と息子は「西松屋」で車のジュニアシートを購っているところだというので寄って、そのあと電機屋と、オートバックスに寄ってもう一度西松屋に戻ったところで電機屋でニット帽を落としたことに気づいて電機屋に戻り、帽子を取り戻して帰ると夕食の時間。夜はプロ野球(アスレチックスと巨人のオープン戦)を見るなどして過ごす。土曜も日曜も朝も夜も、息子と一緒に『鉄道大百科』というDVDを観た。そのうちに全巻揃えなければならない。息子の興味が尽きないうちに、わたしも鉄道に詳しくならなくちゃ。運転中のBGMはひたすら細野晴臣『ホソノハウス』。ときどき安藤裕子『大人のまじめなカバーシリーズ』。