ちかいの魔球。

 日帰り大阪出張、その車内。昨晩、家に『いきなり最終回』というマンガの最終回ばかりを集めた企画本があったので「タイガーマスク」を読んだ。伊達直人は大事な試合の日、会場に向かう道すがら、車に轢かれそうになった子どもを助けようとしてみずから跳ねられて死ぬのでした。絵がしょぼい。止まって見える。ひとつ前に載ってる『巨人の星』とくらべても明らかだ。コンビニの釣り銭などは募金箱に入れるほうだが伊達直人運動(?)には乗れない。どうせならちゃんと「タイガーマスク」だか「伊達直人」だかのフィクションを巧妙に作ってほしい。一過性の、ただのB級ニュースでもいいが、相手があることだからね。毎日新聞のコラムで泉麻人が、「薄気味悪いところもある」と書いていたがたしかにそうだ。教育テレビの「みいつけた!」のオフロスキーから眼が離せない。オフロ、オフロ、オフロスキーィッ! コッシーの声はサバンナ高橋だが、しつけ番組(あるいはこどものためのセルフヘルプ番組?)「できた できた できた」のナレーションはバナナマン設楽だ。どちらもなかなかいい。「みいつけた!」のトータス松本の歌もいいし、クドカン作詞、星野源作曲のイスの歌もいいが、いまはやはりオフロスキーだ。「英語であそぼ」のエアプレインの歌もいい。「おかあさんといっしょ」の「リンゴントウ」(おーなり由子作詞、栗原正己作曲)もいいが、いまどき「おかあさんといっしょ」というタイトルはどうか? ポリティカルコレクトじゃないよ。でもそんなことよりも、エンディングで体操のお兄さんと子どもたちがいっしょにやる、中西圭三の歌う「ぱわわぷたいそう」はとてもいい。いま挙げたなかでいちばん好きかもしれない。ぐーだってちょきちょきだって、ぱーわぱわぱわぱー。はじっこで突っ立って動けない子、なんとなく動いてるけど楽しそうでもなくぼうっとしている子に目がいく。モリッシーがライブエイド(だったかなにかのチャリティー)に、賛同できなくて敵なに参加しなかった、という話がなぜか昔から好きだ。