記憶の増大2009

 昨日音友ターニーがDJミキサーを貸してくれて(ありがとう!)、今まで使っていたのと繋ぎ換えの作業をしていたら、「片付け熱」に火がついてしまって、やらなければならない別の大事な作業を明日に回すことにして、押入れをひっくり返して夜じゅう片付けをしていた。
 こういう作業の常として、記憶を刺激する様々な品物が出てきて、作業の手を止めて眺めてしまう。かつて行った展覧会のチラシ(写真は「江戸川乱展―蔵の中の幻影城」2003年1月)、フィッシュマンズのファンクラブ会報、佐藤伸治の死亡記事の載った1999年3月20日毎日新聞、敬愛する小説家の俳人としての句集(押入れにしまっててすみません!)、出演させていただいたクラブイベントのフライヤー(映画「ランデブー」公開記念イベント)、編集に携わっていたエロ本に書いたブックレビューの原稿、MariMariがウェブ連載していた小説のプリントアウト(最近探していた!)、などなど。あと大学の「学業成績証明書」が出てきて、少し前に日記に書いた「アイルランド文化集中講義」は、正しくは「ケルト社会文化論特殊講義」だったことがわかった。
 それらを見ていたら色々な記憶が意識の前線に浮かびあがってきて頭のなかがかき混ぜられるような感じになってくるのだけど、押し入れはものすごくぐちゃぐちゃであまり手を止めていては片付けが終わらないので、なるべく休まずに作業を続けた。でも展覧会のチラシだけでも、ヘンリー・ダーガー展、田中一光展、浜口陽三・南桂子展、ジョルジュ・ルオー展、メトロポリタン美術館展、フリーダ・カーロ展、ヴォルフガング・ライプ展、MOTアニュアル2003「days おだやかな日々」展、今日の作家展2003「水を掬ぶ。花を弄する。」展……などなど、片づけを終えた今また振り返ってタイトルを挙げていくだけで、絵を観たときのこと、会場までの道すがら、一緒に行った人のこと、ひとりで歩いた展示室、記憶のそこかしこが刺激されてくらくらしてくる。
 かつての自分が今の自分を作っていることを実感する。でもとにかく、明日こそは、今日後回しにしたやるべきことをやらなくちゃ。