日々の小さな起伏の意味

 昨日は午後から休みを取った。昼食後、Sが「借りてた本を返すよ」といって遊びに来て、コーヒーを飲みながら夕方まで、話し込む。色々な話をする。Sが読んだ本について、
 「ここがよかったんよ。えっと、どこやったっけな? ……ああ、ここ。」
 みたいな感じで、読んだ本の琴線に触れた箇所を、指示してみせる。
 ぼくは話せる相手なら電話越しにでも、「ほら、ここっ」なんて言いながらそんなところを読んで聞かせるくらいで、そういうことをするのが大好きで、そういうふうなぼくの話をちゃんと聞いてくれる人は、すぐに好きなるのだけど、こういうふうに逆のパターンというのは、ぼくの生活のなかではあまりなくて、とくに本の話についてはほとんどなくて(みんな、本を読まないのか、読んでも、それはひとりでしまっておくのか)、こういう感じはすごくいいと思った。
 夕方、Sとともに、別のSさんが焼いてくれたtoeを聴きながら、ぼくが勝手に作った、Fishmansの「ゆらめきIN THE AIR」のversion(カラオケ)と古川日出男による近代詩の朗読のMIX音源を聴きながら、カーテンを開けた窓の向こうで日が暮れていく。