覚え書き/完璧な場所について

 こうしてひさしぶりにまともに日記を書くということは、このところかかりきりだったことがようやくひと段落して、水面の上にようやく顔を出すことができた気分だ、ということで、だけどこれからが始まりなんだ、という気分でもある。ちゃんと形にしなけりゃ。


 夢のような四日間が終わり明日から現実に戻されるわけだが、その最後にO書店で川本真琴の「gobbledygook」(2001年)を入手(500円)。あの名曲「桜」を7年ぶりに聴く。魂を焦がす音楽。


 友人は21歳で死ぬことも、27歳で死ぬことも選ばず、今ここにいるんだ、と言った。ぼくはやっとかれと同じ土俵の、隅っこに上がることができそうだ、と思っている。でもまだまだ。年はちょっとだけぼくが上だけど、背中を追いかけている気分。


 今日は田辺市のBig-Uにある図書館に行った。図書館で気になった雑誌をコピー(『考える人』鶴見俊輔高野文子対談;「チボー家の人々」と「黄色い本」)。妻と義妹が本を物色しているあいだ、中庭のベンチに仰向けに寝ころんで、そのコピーと文庫本を読んだり、空を見上げたり。金曜の夜、「この街に来て、一番印象に残っている場所ってどこですか?」と聞かれてうまく答えられなかったのだけど、「ここだったんだ」と思った。この中庭。たぶんSightseeingのための質問だったし、住んでいる街とは違う街なので、訊かれていることに答えていることにならないけど、ぼくはこの場所が本当に好きだ。