ピーター・バーグ『バトルシップ』Battleship(2012)を観ました。

 軍人の兄に無為な生活を説教される無職の青年。誕生日に兄と二人、バーで飲みながら、将来について発破をかけられるのに女をナンパすることしか考えていない。
 一目惚れして声をかけたスタイル抜群の女性に、「チキンブリトー食べたいの」と言われれば、閉店後の隣のコンビニに強引に忍び込み万引き。即警察につかまる。「ほんとにブリトー持ってきてくれたのね?」と女性はなぜか感激。
 ……その後、女性が兄のいる海軍の総督と知って、兄に言われたとおり軍隊に入隊、いつのまにか将校(大尉)に昇進している青年。女性ともラブラブ。

 というのが序盤で、なぜこんな益体もない展開をいちいち描写したかというと、この映画自体がそういうものだから。この主人公(テイラー・キッチュ演じる)の端的にいってくだらない軍隊入隊エピソードと並行して、ボイジャー計画よろしく地球外生命へのコンタクト計画が描かれるのだが、主人公のバカっぷり、コンタクト計画のいい加減さを、丁寧に(だからこそいっそうバカバカしい)見せるこの序盤で、「マジメに見る話じゃないですよ」ときっぱり宣言してくれている。

 以降は映画が要請するモードにチューニングすれば、何も考えずに楽しめる娯楽作品。中学生でも、ことによったら小学生でもわかるような無理やご都合主義も、この世界、ストーリーが必要とするレベルでは非常に理に適っている(?)とも言える。いつもより大きく声を出して、陽気に活躍する自衛隊浅野忠信艦長も素敵です。

バトルシップ [Blu-ray]

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